I’ll Close My Eyes（アイルクローズマイアイズ）
ジャズのスタンダード曲の中でも、
「ⅡーⅤ」が多い曲は、
ジャズ初心者にとって、アドリブが作りやすく、
練習しやすい曲かと思います。
今回は、私が、ジャズを勉強し初めの時期に
練習した曲の１つ、
「I’ll Close My Eyes」を取り上げたいと思います。
楽曲情報
イギリスの作曲家ビリー・リード（Billy Reid）が、
1945年に作曲した作品。
1945年といえば、日本は終戦の年ですね・・・。
古い曲と考えるか、
あたらしい曲と考えるか・・・。
アメリカにこの曲が紹介されるときに、
バディ・ケイが歌詞を書き、レコード化されました。
1947年にミュージカル映画「Sarge Goes to College」に使われ、
大ヒット。
遠く離れている恋人を想う歌として、
人気がでました。
絶対聞くべき！オススメCD
「I’ll Close My Eyes」は、
ジャズスタンダードとして人気の高い曲なので、
多くのミュージシャンたちが、CDにレコーディングしています。
まずは、歌を聴いてみましょう。
DINAH WASHINGTON
1957年に発表された、ダイナ・ワシントンのCD。
ダイナ・ワシントン(1924~1963)は
「ブルースの女王」と呼ばれているアメリカの代表的なボーカリストです。
BLUE MITCHELL
1959年に発表された、
ブルー・ミッチェルのCD『BLUE’S MOODS』にも、
収録されています。
ブルー・ミッチェルのこのCDは、
「I’ll Close My Eyes」の練習をする際には、
必ず聞くべきとされているCDの１つだと思います。
山中千尋
日本人のピアニストとして、
世界的に有名なピアニスト：山中千尋さんのアルバムにも、
収録されています。
小気味のいい感じに、アレンジされています。
ミュージシャンによって、様々なスタイルで演奏されていますね。
練習してみよう！！！
まず、この曲を練習するにあたり、
コード、メロデイーの確認をします。
こちらのサイトに、楽譜が掲載されています。
まずは、コード進行を確認します。
コード進行で確認すること
まずは、コード進行の中で、難しいコード、
知らないコード記号がないかを確認します。
コードを確認してみた感じ、
あまり、難しいコードは、存在していないと思います。
「i real b」から引用しました。
この中で難しい部分は・・・？
この曲のコード進行の中で、唯一つまづくとしたら、ここ。
「B♭△7」ー 「B♭-7」「E♭7」ー「F△7」
かと思います。
この曲の個性的な部分です。
「B♭△7」ー 「B♭-7」「E♭7」の後に「A♭」などを
演奏してしまわないよう、気をつけたいです。
どうやって練習する？
ここのコード進行がなかなか覚えられない。
しっくりこない！という方は、
メロディーをきちんと覚えていないからかもしれません。
「B♭△7」ー 「B♭-7」「E♭7」ー「F△7」
ここのメロデイーは、独特な音使いがされています。
ここのコードは、
普通の「Ⅱ−Ⅴ」に当てはまっているわけではないので、
アドリブするのも、難しい場所なのです。
アドリブをするための理論書には、
様々なスケールについての解説が書いてありますが、
初めは、まず、テーマのメロディーラインをしっかりと
覚えることが、重要です。
特にここの３段目は、独特な音運びです。
大切に演奏していきたいですね。
使用スケールは？？？
ちょっと難しい話になります。
ここは、サクッと飛ばして、テーマをしっかり覚えて
アドリブを作れば、問題なくセッションでも演奏可能です。
読みたい方だけ、どうぞ。
アドリブをするときに、
問題になるのは、「B♭-7」「E♭7」のところですよね。
「E♭７」のところのスケールで、
ミクソリディアンを使ってしまうと、
「ミ♭ーファーソーラ♭ーシ♭ードーレ♭ーミ♭」
となります。
ミクソリディアンでは、「ラ♭」は、アボイドノートとなるので、
演奏するとおかしなことになります。
(ちなみに、リディアン７thを使うと綺麗です。)
しかし、１つ前のコードが、
「B♭-7」なので、
「ラ♭」を残してしまう危険性が・・・。
練習の初めから、このあたりでは「ラ♭」を
使わないようにアドリブしていると、
崩壊の危険性を避けることができるかもしれません。
ぜひ、お試しください。
（楽譜によっては、「B♭-7」が省略されている楽譜もあります。）
まとめ
今回は、「I’ll Close My Eyes」の オススメCD、そして、練習方法についてご紹介しました。
セッションの定番曲です。
ぜひ、練習してみて下さい。
